リピスタ神です、こんにちは。
昨日はポイントせどりの隠れたメリットについて書かせていただきました。
まだ見てない人は昨日の記事を確認してくださいね。
で、今日はその話の流れから、ポイントせどりで得られる還元ポイントの税務手続き的な側面から、還元ポイントを申告しないと脱税になるのか?という問題について、僕(と顧問税理士)の見解をまとめてみましたので参考にしてみてください。
法整備が遅れているキャッシュレスの世界
ご存知のとおり、増税をきっかけとして2020年6月まではキャッシュレス消費者還元事業として対応店舗で最大5%の還元が実施されています。
最近になってアプリをダウンロードしたとか、クレジットカードやペイ系アプリの利用頻度を増やしている人も多いはず。
僕らせどり転売プレイヤーじゃなくても、同じ金額を支払うなら対象事業者でキャッシュレス決済を利用して5%還元してもらうほうが間違いなくお得ですから、2%や5%、還元されるほうを選択しますよね。
そして、キャッシュレス還元事業の5%は、領収書や請求書には記載されないケースも多いです。
会計という側面から見ると、このようなどこにも証拠が残らない還元は帳簿に記載せずに受け取れる「無税の利益」と考えることができますから、残り半年たっぷりとこの恩恵を受け取りましょう。
せどり転売ビジネスの還元ポイントの取り扱いは?
では、2020年6月に終了するキャッシュレス還元事業は横に置いておいて、今後も継続的に得られる、楽天やヤフーで商品を購入する際に発生する還元ポイントはどうでしょうか。
2019年現在、各種還元ポイントは課税所得扱いだから必ず申告しなければならない、と明確に定義している税法の規定はありません。
しかしながら、国税庁には『企業が提供するポイントプログラムの加入者(個人)に係る所得税の課税関係について』という研究論文が発表されていて、その論文では、
ポイントの法律関係は、少なくともポイント付与の元になった取引きとは別の何らかの給付を、対価を支払うことなく請求できる権利が付与されたものであると捉えることが適当であり、課税されるべき経済的利益にあたる。
と記載されています。
つまり、ポイントは経済的利益で課税されるべきという意見が国税庁の研究からも明確になっていることですね。
また、同論文では、以下のようにも結論付けられています。
それでも、一時所得については、一時所得の特別控除額によって、ほとんどの納税者は申告する必要は生じないであろう。そのため、事業所得等となる場合のポイントの記帳方法が定着すれば、実務上の困難の多くは解消すると思われる。
要するに、一般的な買い物を通して得られる還元ポイントは常識的に考えて一時所得の特別控除枠である年間50万円以下に収まるはずであり、通常はその範囲内で処理されるものであるから申告義務はない、と。
とはいえ、僕らはポイントを目的として活動しているポイントせどらー。
主婦たちが実践しているポイ活とは規模が違います。
また、せどり転売は一種の事業であるから、個人の雑所得や一時所得とは違い、事業所得として通算で申告すべき所得に分類されるのではないかという考え方もあるものの、現状ではポイントの取り扱いについて何が正しいかというのは誰にも明確に判断できるものではありません。
なぜなら、先ほどから指摘しているように、ポイント関連の法整備が遅れているからです。
そして、今後もこのポイント還元やマイル還元といった部分については明確な法整備をしない可能性も高いと思っています。
還元ポイントの法整備は不可能?
法整備が進まない一番大きな理由は、法整備をする側(政治家や官僚)も実はこの恩恵を受けているから、と僕は考えています。
たとえば、公的な経費で電車や飛行機に乗る場合を想定してみます。
彼らは新幹線や飛行機で国内を飛び回っているはずですが、そこで得られるJRのポイントやJAL/ANAマイルについては各個人のものになっているでしょう。(仕組み上、組織には付与できませんからね。)
そして、マイレージに色はないので、経費で積み上げたマイルをプライベートで家族旅行に使おうが、それを現金化しようが、それはマイル所有者の自由です。
ANAもJALもマイルを現金化することは現実的に可能です。
とはいえ、マイルは飛行機に乗る際に利用するのが最も効率(換金率)の高い利用方法になるので、だいたいは航空券と交換することになるかなとは思います。
毎月たくさん飛行機に乗って使い切れないほどマイルが貯まっていく人なら、多少換金率が悪かろうが現金化する選択肢を選ぶ人も当然いるはずで、現状では、その現金化したお金は合法的に無税の所得です。
こういった利益を享受している人たちが法整備を推し進めるかと言われれば、おそらく答えはノーでしょうし、そもそもポイントやマイルの世界のすべてを網羅するような綿密な法整備は、その内情が複雑すぎて現実的に難しいでしょう。
買い物に付与されるポイントの取り扱いは?
別記事でも取り上げていますが、僕自身は、楽天やヤフショなどポイント獲得を伴う仕入れについては還元ポイントは値引きと同等である、というルールで会計処理をしています。
法律的に明確な定義はありませんが、先に述べた国税庁の研究論文からも、とりあえず現実に沿って納税をしようと考えると「ポイントは値引き」と考えるのが妥当でしょう。
これが正しいかどうか、このようにやらないと脱税だとか、そういう話ではありません。僕の会社では税務の専門家である税理士と管轄税務署の見解を踏まえてこのルールに決めたというだけの話。
ですから、たとえば月商100万円の人が僕と同じような税務処理をしなくても、お咎めがあるかないかはわかりません。金額が小さければ無視されるかもしれないし、そもそも副業の確定申告すらしてない人も多いでしょう。
広義ではあらゆるポイント還元の取り扱いが議論されるべき
せどり転売ビジネスの仕入れとポイント還元は、どちらかというと損益に直結する話なので議論の対象になりやすいわけですが、たとえば店舗せどりでたくさん車を運転する際に入れるガソリン代は経費だというのは明白でも、ではそのガソリン代の支払いに利用したクレジットカードでもらえる1%還元は支払ったガソリン代から差し引いて考えるべきなのかなど、この手の具体的事例を挙げればいくらでも出てきます。
僕は現状、あくまでも販売する商品を仕入れる際に直接的に還元されるポイントについては「実質的な値引き」として処理はしていますが、上記のようにせどり転売の世界における還元ポイント論争は終わりが見えない世界でして、これをすべてのビジネスに当てはめて法整備するというのは無理ゲーじゃね?と思うわけです。
今回の記事で取り上げたいのは、せどり転売とポイント還元の税務的な取り扱いを議論したいわけではなくて、では僕らせどり転売プレイヤーが現実にこの環境を有利に使うにはどうしたらいいのかというところです。
誰も正解を持っていないことをウダウダと語るより、グレーかもしれないけど現状違法ではないと考えられる方法で、最も手元に利益を残すにはどうしたらいいのか。
税金とポイントというグレーな枠組みの中で、一番簡単に楽に儲けるにはどうしたらいいのよ、と。
そこが最も大切な論点ではなかろうかと思うわけです。
結論:ポイントはすべて無税の所得と定義する
結論としては、僕のように仕入れ時にポイントを値引き処理などせず、すべてを無視して考えるのが合法的に利益を最大化する選択です。
実質的には儲かっているけれども、その利益の源泉はすべてポイントや現金還元であり、それら還元分を無視すると大赤字ということ。
20万円以下の副業所得であれば申告の義務が生じないというルールに従って、赤字だから申告しないというのが最も理にかなった行動になります。
しかも副業レベルで考えると、毎月5万10万(年間100万円)程度をすべてポイント利益と考えた場合、税務署が動くとは考えづらい。
そして、もし「おまえ脱税してるだろ!」と突っ込まれても、こちらは証拠資料で武装していれば全く恐れることはありません。
脱税の指摘に対する理論的な武装
各種ポイント還元を考慮して仕入れたものをアマゾンやヤフオクで販売して利益を上げている人が、今後もし税務署から指摘を受けた場合に備えて、理論武装しておくことが2点あります。
1つが、副業の確定申告は20万円以上の利益がある場合に限るということ。
もう1つが、証拠資料をいつでもプリントアウトできるデータとして残しておくこと、です。
前者は、法律のことをわかっていて申告していないという主張をするためなので、20万円以下は申告の必要がないということを知っておくだけでいいです。
大事なのは、後者。証拠資料をデータで残すというところです。
税務調査は保管している帳簿や資料を基に行われますから、領収書や請求書、購入履歴メールや販売実績に関する数値的なデータを税務調査時に見せることができればいいので、すべて電子データで保存しておくだけでOKです。
電脳仕入れオンリーの人であれば、紙媒体の資料は一切保管しておかなくていいので楽ですね。
そして、もし税務調査が入った場合には、大赤字だから申告していないこと、大赤字の根拠をデータとして示すだけです。
税務調査官が僕らから租税を取るためには、僕らが利益を出しているということを証明する必要があり、証明するのは相手方(税務署側)の仕事になるので、僕らは何も隠さずに購入したものと販売したものとを赤裸々にデータで示せば良いのです。(隠す行為は脱税と認識される可能性につながる。)
そこに「還元ポイント」が含まれているならば、場合によってはポイントは値引きと指摘されるかもしれませんが、もしその場合には、
と言いましょう。
百歩譲ってポイントは値引きと認めたとしても、ポイントせどりの仕入れには資料に記載のない隠れ還元ポイント(たとえばポイントサイト経由で得られるハピタスポイントとか)も多いので、どうあれ帳簿的には赤字になっている可能性が高いです。
まとめ:副業は申告義務の必要なし
ということで、結論です。
僕のように事業として年間1億規模の売上を毎期やっている場合はさすがにずっと大赤字だとおかしいのでさらに具体的な対処方法が必要になってきますが、副業レベルの月商100万円程度なら、現状上記の理解で行動しても何ら問題は起こらないと思われます。
とはいえ、これはあくまでも僕(と顧問税理士)の結論であって、あなたがせどり転売ビジネスと税務にどのように向き合うかはあなた次第。
合法的な範囲の中で、いかに楽に稼ぐかを考えて行動しましょう。
ではまた、リピスタ神でした。